医療用麻薬の臨床

非がん性神経障害痛に医療用麻薬が使われるようになってきた.日本ペインクリニック学会による「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン」では医療用麻薬は第三選択薬に分類されている.保険上はがん性痛にのみ適応が認められなかったフェンタニル貼付薬も,非がん性神経障害痛への使用が認められるようになり,医療用麻薬の使用頻度は増加することが予測される.オキシコドン,モルヒネ,フェンタニルなども製剤によっては非がん性神経障害痛への適応がわが国では認められていないものもあるが,海外ではその有用性が報告されている.医療用麻薬を処方する際には乱用の危険性をスクリーニングすることを考慮するべきで,投与中は十分なフォローアッ...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 056 - 063
Main Authors 水谷, 仁, 佐伯, 茂, 小川, 節郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2013
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.33.056

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Summary:非がん性神経障害痛に医療用麻薬が使われるようになってきた.日本ペインクリニック学会による「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン」では医療用麻薬は第三選択薬に分類されている.保険上はがん性痛にのみ適応が認められなかったフェンタニル貼付薬も,非がん性神経障害痛への使用が認められるようになり,医療用麻薬の使用頻度は増加することが予測される.オキシコドン,モルヒネ,フェンタニルなども製剤によっては非がん性神経障害痛への適応がわが国では認められていないものもあるが,海外ではその有用性が報告されている.医療用麻薬を処方する際には乱用の危険性をスクリーニングすることを考慮するべきで,投与中は十分なフォローアップが必要である.一方,医療用麻薬使用患者が海外旅行を希望する場合がある.医療用麻薬を携帯して海外渡航する際の手続きについて医療用麻薬を処方する医師は知っておく必要があると考える.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.056