難治性三叉神経痛に対する “nerve combing” による治療経験

微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 31; no. 7; pp. 464 - 469
Main Authors 酒井, 淳, 伊藤, 康信, 山川, 功太, 沼澤, 真一, 赤須, 功, 北川, 亮, 森, 健太郎, 吉田, 浩貴, 渡邉, 貞義, 佐々木, 裕亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2022
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.31.464

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Summary:微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高いことを説明すべきである.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.31.464