過去5年間における呼吸ケアサポートチームの成績と今後への課題
過去5年間での呼吸ケアサポートチーム(RST)の活動を検討した.研究期間は2011年1月から2015年12月.対象はこの間にRST介入依頼のあった242例.対象をRST介入開始期間により前期・後期の二群に分類し(前期:136例2011年1月~13年6月,後期:106例2013年7月~15年12月),二群間の成績を比較検討した.前期・後期両群間において,年齢は後期が有意に若年だったが(前期68.7歳 vs 後期61.7歳,p<0.05),性別・PF ratio・APACHE 2スコアにおいて有意差は無かった.人工呼吸器関連肺炎発生率(前期1.9% vs 後期2.0%,n.s)では有意差は見られな...
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Published in | 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 70 - 74 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
01.09.2017
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Subjects | |
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ISSN | 1881-7319 2189-4760 |
DOI | 10.15032/jsrcr.27.1_70 |
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Summary: | 過去5年間での呼吸ケアサポートチーム(RST)の活動を検討した.研究期間は2011年1月から2015年12月.対象はこの間にRST介入依頼のあった242例.対象をRST介入開始期間により前期・後期の二群に分類し(前期:136例2011年1月~13年6月,後期:106例2013年7月~15年12月),二群間の成績を比較検討した.前期・後期両群間において,年齢は後期が有意に若年だったが(前期68.7歳 vs 後期61.7歳,p<0.05),性別・PF ratio・APACHE 2スコアにおいて有意差は無かった.人工呼吸器関連肺炎発生率(前期1.9% vs 後期2.0%,n.s)では有意差は見られなかったが,人工呼吸管理期間の短縮(前期10日 vs 後期9日,p<0.01)及び死亡率の改善(前期22.1% vs 後期12.3%,p<0.05)が見られた.当院RSTの活動は集中治療の変遷に伴い内容も変化し,呼吸管理・ケアの進歩が死亡率低減等にも寄与していると考える.翻って重症生存例の呼吸器離脱に難渋している事も示唆され,適切なRST介入方法を今後も検討する必要がある. |
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ISSN: | 1881-7319 2189-4760 |
DOI: | 10.15032/jsrcr.27.1_70 |