壮年期終末期がん療養者における社会資源利用に関する訪問看護師の支援

目的:壮年期の終末期がん療養者におけるニーズに応じた,社会資源利用に関する訪問看護師の支援を明らかにし,今後の壮年期終末期がん患者における支援のあり方について示唆を得る.方法:対象は,首都圏の4か所の訪問看護ステーションに勤務する,訪問看護師6人である.方法は,質的記述的研究であり,インタビューガイドを用いた半構造化面接によりデータを収集し分析した.本研究は横浜市立大学医学研究倫理委員会の承認を得て実施した.結果:壮年期終末期がん療養者の社会資源利用に関する訪問看護師の支援として,【経済面で折り合い療養者と家族が納得できる社会資源の提案】【家族の発達課題や役割葛藤に応じた社会資源の選択】【壮年...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 22; no. 2; pp. 39 - 49
Main Authors 小島, 早紀子, 白谷, 佳恵, 伊藤, 絵梨子, 有本, 梓, 田髙, 悦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2019
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.22.2_39

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Summary:目的:壮年期の終末期がん療養者におけるニーズに応じた,社会資源利用に関する訪問看護師の支援を明らかにし,今後の壮年期終末期がん患者における支援のあり方について示唆を得る.方法:対象は,首都圏の4か所の訪問看護ステーションに勤務する,訪問看護師6人である.方法は,質的記述的研究であり,インタビューガイドを用いた半構造化面接によりデータを収集し分析した.本研究は横浜市立大学医学研究倫理委員会の承認を得て実施した.結果:壮年期終末期がん療養者の社会資源利用に関する訪問看護師の支援として,【経済面で折り合い療養者と家族が納得できる社会資源の提案】【家族の発達課題や役割葛藤に応じた社会資源の選択】【壮年期療養者と家族の個別性に応じた多職種への橋渡し】【利用可能な制度に応じた社会資源の柔軟な見直し】【残された時間のなかでの希望の具現化に向けた社会資源の最大活用】の5つのカテゴリーが抽出された.考察:壮年期終末期がん療養者の社会資源利用に関する訪問看護師の支援として,退院時からコーディネート機能が発揮されること,地域の保健医療福祉に携わる人々,機関,物,情報等の社会資源を把握して連携すること,既存の制度や介護保険非該当となる対象者の潜在的で多様なニーズに対応するための新たなケアシステムを構築することの重要性が示された.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.22.2_39