膵頭部腫瘍と鑑別を要したメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例

症例は73歳,男性.慢性関節リウマチ加療中に造影CTで肝門部から膵頭部背側へと広がる6cm大の腫瘤を指摘された.EUS-FNAを施行するも確定診断が得られず,腹腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.術中所見では腫瘍は腫大した肝十二指腸間膜リンパ節で,病理組織では結節硬化型Hodgkinリンパ腫の像を呈していたが,メトトレキサート投与中であったことからメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断された.術後はメトトレキサートを中止し,リンパ腫の治療は行わず経過観察しているが,25カ月間無再発生存中である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 3; pp. 420 - 425
Main Authors 岸, 和希, 浅岡, 忠史, 大橋, 朋史, 三賀森, 学, 古川, 健太, 辻, 洋美, 倉重, 真沙子, 水島, 恒和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2024
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Summary:症例は73歳,男性.慢性関節リウマチ加療中に造影CTで肝門部から膵頭部背側へと広がる6cm大の腫瘤を指摘された.EUS-FNAを施行するも確定診断が得られず,腹腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.術中所見では腫瘍は腫大した肝十二指腸間膜リンパ節で,病理組織では結節硬化型Hodgkinリンパ腫の像を呈していたが,メトトレキサート投与中であったことからメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断された.術後はメトトレキサートを中止し,リンパ腫の治療は行わず経過観察しているが,25カ月間無再発生存中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.85.420