多機能OCTを用いたヒト皮膚マイクロバイオメカニクス糖尿病診断法の検討

糖尿病とは,インスリン分泌等の破綻により血糖値が高く維持され,多くの合併症を引き起こす疾患である.これまでに,血糖値変化による微視的なバイオメカニクス反応を非侵襲かつin vivoに捉えることはできていない.本研究では,多機能OCTを用いたヒト皮膚バイオメカニクス糖尿病断層診断システムを提案する.本システムは,ヒト皮膚に荷重負荷するPZTアクチュエーターをドップラーOCTに導入した装置であり,赤血球移動によるドップラー変調から毛細血管網を断層可視化する.更に,画像相関解析(OCSA)に基づき皮膚組織のひずみ速度分布を求め,粘弾性力学特性のマイクロ断層可視化を実現する.20代被験者の前腕屈側部内...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 148_1
Main Authors 石原, 稚子, 石井, 亮輔, 佐伯, 壮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.148_1

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Summary:糖尿病とは,インスリン分泌等の破綻により血糖値が高く維持され,多くの合併症を引き起こす疾患である.これまでに,血糖値変化による微視的なバイオメカニクス反応を非侵襲かつin vivoに捉えることはできていない.本研究では,多機能OCTを用いたヒト皮膚バイオメカニクス糖尿病断層診断システムを提案する.本システムは,ヒト皮膚に荷重負荷するPZTアクチュエーターをドップラーOCTに導入した装置であり,赤血球移動によるドップラー変調から毛細血管網を断層可視化する.更に,画像相関解析(OCSA)に基づき皮膚組織のひずみ速度分布を求め,粘弾性力学特性のマイクロ断層可視化を実現する.20代被験者の前腕屈側部内側を静置安定させ,血管拡張剤塗布有無のヒト皮膚に荷重負荷を加え計測を行った.その結果,塗布有無で表皮ひずみ速度の振幅は同程度であるが,真皮では塗布有無によって振幅が小さくなることが確認できた.これは,血管拡張に伴い毛細血管からの血漿漏出が関与していると考えられる.さらに,糖負荷前後における3次元毛細血管網の断層可視化も行った.その結果,糖負荷後では毛細血管の拡張が検出され,血糖上昇によるバイオメカニクス反応が検出されたと考えられる.これより,皮膚内部の力学特性をマイクロスケール断層可視化でき,バイオメカニクス糖尿病診断可能であることが示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.148_1