メルスペクトログラムを用いた医療機器アラーム新/旧規格サンプル音源の比較検討

【背景及び目的】 先般、狼少年症候群やアラーム疲労など、様々なアラームに関する問題点を解決すべく医療機器アラームに関する規格であるJIS T 60601-1-8:2023(以下、新規格)が公示された。そこで今回、時間及び人間の聴覚特性を考慮した音響分析手法であるメルスペクトログラムを用い、新/旧規格サンプル音源を比較したので報告する。【方法】 旧規格サンプル音源8種類、新規格サンプル音源7種類の計15種類を対象とした。元音響データを短時間フーリエ変換で時間-周波数空間のパワースペクトログラムに変換後、比較する2つのメルスペクトログラムにおける多次元座標空間の数値群を、ベクトルに置き換えることで...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 289_2
Main Authors 古平, 聡, 岸本, 和昌, 藤井, 正実, 海老根, 智代, 藤井, 清孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.289_2

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Summary:【背景及び目的】 先般、狼少年症候群やアラーム疲労など、様々なアラームに関する問題点を解決すべく医療機器アラームに関する規格であるJIS T 60601-1-8:2023(以下、新規格)が公示された。そこで今回、時間及び人間の聴覚特性を考慮した音響分析手法であるメルスペクトログラムを用い、新/旧規格サンプル音源を比較したので報告する。【方法】 旧規格サンプル音源8種類、新規格サンプル音源7種類の計15種類を対象とした。元音響データを短時間フーリエ変換で時間-周波数空間のパワースペクトログラムに変換後、比較する2つのメルスペクトログラムにおける多次元座標空間の数値群を、ベクトルに置き換えることでコサイン類似度を算出した。音源データ全ての組み合わせのコサイン類似度を求めることで定量的な比較検討を実施した。【結果及び考察】 旧規格内同士の組み合わせではコサイン類似度は概ね0.8以上であった一方で、新規格内同士あるいは新/旧規格同士の組み合わせでは全体的に低値となる傾向であった。新規格サンプル音源に含まれている聴覚ポインタ(機器のカテゴリを表現)が、機器毎に大きく異なるため、コサイン類似度の違いに影響したと考えられる。【結語】メルスペクトログラムとコサイン類似度を用いて比較した結果、医療機器アラームに関する新/旧規格サンプル音源において大きな違いがあることが分かった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.289_2