持続する難治性吃逆と嘔吐で発症した視神経脊髄炎関連疾患の 16 歳女性例
症例は 16 歳女性.難治性吃逆と嘔吐が 4 週間持続した後,嗄声,四肢の異常感覚,複視,回転性めまいが出現した.MRI では延髄背側に異常信号を認め,血清中抗アクアポリン 4 抗体陽性が判明し,視神経脊髄炎関連疾患 (neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD) の最後野症候群 (area postrema syndrome: APS) と診断.ステロイドパルス療法により症状は改善した.NMOSD は小児では比較的稀であるが,小児の難治性の吃逆や嘔吐症例においても NMOSD の APS は重要な鑑別疾患の 1 つと考えられた....
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Published in | 日大医学雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 239 - 242 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
01.10.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.80.5_239 |
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Summary: | 症例は 16 歳女性.難治性吃逆と嘔吐が 4 週間持続した後,嗄声,四肢の異常感覚,複視,回転性めまいが出現した.MRI では延髄背側に異常信号を認め,血清中抗アクアポリン 4 抗体陽性が判明し,視神経脊髄炎関連疾患 (neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD) の最後野症候群 (area postrema syndrome: APS) と診断.ステロイドパルス療法により症状は改善した.NMOSD は小児では比較的稀であるが,小児の難治性の吃逆や嘔吐症例においても NMOSD の APS は重要な鑑別疾患の 1 つと考えられた. |
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ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.80.5_239 |