酸無水物硬化エポキシ樹脂の橋かけ構造とガラス転移
酸無水物で硬化したエポキシ樹脂の構造と動的粘弾性について検討した。ゴム状態式のフロント係数 (φ) はすべて1より小さく, またジアミン硬化エポキシ樹脂のφより小さかった。同一酸無水物硬化樹脂系でのφは橋かけ密度 (ρ) が小さくなると小さくなっていく。 ガラス転移温度 (Tg) は芳香環や脂環などの嵩だかい酸無水物で硬化した樹脂のほうが脂肪族酸無水物より高い。そして, 同一酸無水物系では, Tgとρの間には次式の関係にあることが見いだされた。 Tg=K1logK2ρ ここでK1, K2は定数。 K1は嵩だかい脂環族酸無水物系のほうが脂肪族酸無水物系より大きい, そしてK2は両系ともほぼ同じ値...
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Published in | 高分子論文集 Vol. 31; no. 2; pp. 119 - 123 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 高分子学会
1974
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ISSN | 0386-2186 1881-5685 |
DOI | 10.1295/koron.31.119 |
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Summary: | 酸無水物で硬化したエポキシ樹脂の構造と動的粘弾性について検討した。ゴム状態式のフロント係数 (φ) はすべて1より小さく, またジアミン硬化エポキシ樹脂のφより小さかった。同一酸無水物硬化樹脂系でのφは橋かけ密度 (ρ) が小さくなると小さくなっていく。 ガラス転移温度 (Tg) は芳香環や脂環などの嵩だかい酸無水物で硬化した樹脂のほうが脂肪族酸無水物より高い。そして, 同一酸無水物系では, Tgとρの間には次式の関係にあることが見いだされた。 Tg=K1logK2ρ ここでK1, K2は定数。 K1は嵩だかい脂環族酸無水物系のほうが脂肪族酸無水物系より大きい, そしてK2は両系ともほぼ同じ値であった。 |
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ISSN: | 0386-2186 1881-5685 |
DOI: | 10.1295/koron.31.119 |