屍体膝を用いた前十字靭帯大腿側付着部形状から考える解剖学的前十字靭帯再建術の検討

前十字靭帯(以下 ACL: Anterior cruciate ligament)再建術は,より解剖学的な再建を目指して多くの研究が行われている.再建においては Mid-substance insertion(以下 MI)が機能的に重要であるとされ,我々は先行研究で MI が楕円に類似していることを数学的に実証し,MIの 2 焦点に骨孔を作製することが解剖学的と考えた.しかし,近年 Fan-like extension fibers(以下 FE)も安定性の多くに寄与していることが報告され,FE も再建することでより解剖学的再建になることが考えられる.今回我々は屍体膝を用いて,FE,Antero...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 80; no. 6; pp. 311 - 318
Main Authors 相澤, 信, 中西, 一義, 入内島, 崇紀, 矢作, 善之, 岩間, 彦樹 彦樹, 洞口,  敬 敬, 駿河, 誠, 大幸, 英至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.12.2021
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.80.6_311

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Summary:前十字靭帯(以下 ACL: Anterior cruciate ligament)再建術は,より解剖学的な再建を目指して多くの研究が行われている.再建においては Mid-substance insertion(以下 MI)が機能的に重要であるとされ,我々は先行研究で MI が楕円に類似していることを数学的に実証し,MIの 2 焦点に骨孔を作製することが解剖学的と考えた.しかし,近年 Fan-like extension fibers(以下 FE)も安定性の多くに寄与していることが報告され,FE も再建することでより解剖学的再建になることが考えられる.今回我々は屍体膝を用いて,FE,Antero-medial bundle(以下AM) と Postero-lateral bundle(以下 PL),AM と PL それぞれの MI,FE(以下 AMm,AMf,PLm,PLf)の形状が楕円もしくは円であるかについて検証し,大腿骨側骨孔をどこにどのような形状で作成するべきかを検討することで機能的な再建を目指すことを目的とした.結果は AM,PL および AMm,AMf,PLm,PLf は楕円に類似していた.このことから FE を同時に再建する方法としては AM と PL の楕円 2 焦点に骨孔を作製し,四重束で再建する方法が現在施行可能な術式として最も解剖学的と考えられた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.80.6_311