PET/CT画像を対象としたアンサンブル手法による多臓器自動抽出 -事前学習モデルの比較検討

【背景】多くの研究者によって医師の診断支援を目的とした臓器の抽出技術が検討されている.しかし,既存の技術の多くは診断用CT画像を対象としており,低画質なPET/CT画像を対象としたものは少ない.そこで我々は,PET/CT画像においてdeep learningを用いた多臓器自動セグメンテーションを試みた.本研究では,PET・PET減弱補正用CT画像からそれぞれ得られる機能的・形態的情報を用いて臓器抽出を行うアンサンブル手法を検討した.また,複数の事前学習モデルについて比較検討を行った.【手法】抽出対象は肝臓・脾臓・腎臓・膵臓とし,PET・PET減弱補正用CT画像に対して,U-Netを用いて臓器領...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 251_1
Main Authors 鈴木, 結紀, 富山, 憲幸, 菅沼, 雄太, 齋藤, 邦明, 寺本, 篤司, 木戸, 尚治, 藤田, 広志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.251_1

Cover

More Information
Summary:【背景】多くの研究者によって医師の診断支援を目的とした臓器の抽出技術が検討されている.しかし,既存の技術の多くは診断用CT画像を対象としており,低画質なPET/CT画像を対象としたものは少ない.そこで我々は,PET/CT画像においてdeep learningを用いた多臓器自動セグメンテーションを試みた.本研究では,PET・PET減弱補正用CT画像からそれぞれ得られる機能的・形態的情報を用いて臓器抽出を行うアンサンブル手法を検討した.また,複数の事前学習モデルについて比較検討を行った.【手法】抽出対象は肝臓・脾臓・腎臓・膵臓とし,PET・PET減弱補正用CT画像に対して,U-Netを用いて臓器領域の抽出を行った.それらの出力を統合し,本研究の出力結果とした.また,「事前学習」と事前学習データセットとしてImageNet・RadImageNetを用いた3種のモデルで抽出精度を比較した.【結果】肝臓・腎臓・脾臓は,3種のモデルで抽出精度の大きな差は確認されず,Dice係数はそれぞれ0.94,0.94,0.91程度となった.膵臓はImageNetを用いた際に最も良好な精度となり,Dice係数は0.72となった.【結論】分解能が低く,ノイズの多いPET/CT画像に対し,アンサンブル手法・事前学習モデルの活用によって,診断用CT画像を用いた先行研究と同等の抽出精度となった.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.251_1