診療所における異物症例への対応
診療所レベルでの口腔咽頭異物への対応はその診療所の立地条件により異なる. 救急対応の可能な病院が周囲に多く存在する都市部の診療所では口腔および中咽頭の異物, 特に口蓋扁桃周囲の異物への対応で充分であるが, 近隣病院より距離のある郊外に位置する診療所や夜間・休日の紹介先に苦慮する診療所では, 喉頭・食道異物への対応も必要となることがある. 口腔咽頭異物の診断の基本は舌圧子・間接喉頭鏡. ファイバースコープなどを用いての視診・観察である. 同定不能の場合には画像診断を行う. 診断の確定ができない場合でも, 疼痛などの臨床症状があれば, 異物が存在すると考え, 積極的に高次医療機関への精査加疼療を依...
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Published in | Stomato-pharyngology Vol. 19; no. 2; pp. 161 - 166 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔・咽頭科学会
2007
Japan Society of Stomato-pharyngology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-5105 1884-4316 |
DOI | 10.14821/stomatopharyngology1989.19.161 |
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Summary: | 診療所レベルでの口腔咽頭異物への対応はその診療所の立地条件により異なる. 救急対応の可能な病院が周囲に多く存在する都市部の診療所では口腔および中咽頭の異物, 特に口蓋扁桃周囲の異物への対応で充分であるが, 近隣病院より距離のある郊外に位置する診療所や夜間・休日の紹介先に苦慮する診療所では, 喉頭・食道異物への対応も必要となることがある. 口腔咽頭異物の診断の基本は舌圧子・間接喉頭鏡. ファイバースコープなどを用いての視診・観察である. 同定不能の場合には画像診断を行う. 診断の確定ができない場合でも, 疼痛などの臨床症状があれば, 異物が存在すると考え, 積極的に高次医療機関への精査加疼療を依頼すべきである. 診療所での異物摘出は時間的にも設備的にも制約をうけることが多く, 簡便な器具での迅速な異物摘出に習熟することが重要である. 摘出不能の場合には, 受け入れ体勢の整った施設への転送をためらわない. 以上より診療所レベルでの異物症例への対応には日頃より自院の規模・設備を考慮して, 異物症例への対応の基準を検討しておく事が不可欠である. |
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ISSN: | 0917-5105 1884-4316 |
DOI: | 10.14821/stomatopharyngology1989.19.161 |