膝痛・腰痛をもつ看護職の困難動作 日本ナースヘルス研究における詳細調査より

「I 諸言」 看護職は, 筋骨格系疾患の発生率が高いことが知られている. これは, 本邦のみならず諸外国においても同様であり, 世界的な課題であるといえる. 筋骨格系疾患の中でも, 腰痛は特に発生率が高く, 職業性腰痛については多くの先行研究が存在し, 対策が講じられている. 厚生労働省は, 1994年に示した「職場における腰痛予防対策指針」を2013年に改訂した. 指針の中では, 腰痛発生の多い作業を挙げ, 各々に予防対策が示されている. この改訂では, 旧指針で「重症心身障害児施設等における介護作業」としていた介護作業対策の適用範囲を, 「福祉・医療分野等における介護・看護作業」全般に拡大...

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Published in日本健康学会誌 Vol. 83; no. 4; pp. 113 - 125
Main Authors 林, 邦彦, 井手野, 由季, 伊藤, 歩美, 小林, 亜由美, 宮崎, 有紀子, 岩谷, 力, 鈴木, 庄亮, 高木, 廣文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康学会 31.07.2017
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ISSN2432-6712
2432-6720
DOI10.3861/kenko.83.4_113

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Summary:「I 諸言」 看護職は, 筋骨格系疾患の発生率が高いことが知られている. これは, 本邦のみならず諸外国においても同様であり, 世界的な課題であるといえる. 筋骨格系疾患の中でも, 腰痛は特に発生率が高く, 職業性腰痛については多くの先行研究が存在し, 対策が講じられている. 厚生労働省は, 1994年に示した「職場における腰痛予防対策指針」を2013年に改訂した. 指針の中では, 腰痛発生の多い作業を挙げ, 各々に予防対策が示されている. この改訂では, 旧指針で「重症心身障害児施設等における介護作業」としていた介護作業対策の適用範囲を, 「福祉・医療分野等における介護・看護作業」全般に拡大した. これは, 社会福祉施設や医療保健業といった保健衛生業の従事者, 殊に女性での腰痛有訴が大幅に増加し, 人材確保の観点から対策の必要性が高まったことによるものであり, このことからも看護職の筋骨格系疾患への関心の高まりが伺える.
ISSN:2432-6712
2432-6720
DOI:10.3861/kenko.83.4_113