ラット新生子動脈管の収縮過程におけるエナラプリルの抑制作用(短報)

妊娠ラットから帝王切開により取り出した新生子ラットにアンジオテンシン変換酵素阻害剤マレイン酸エナラプリル(EM)を帝王切開直後あるいは180分後に皮下投与し, 動脈管の内径を経時的に測定した. 帝王切開直後に10あるいは50mg/kgのEMを投与した新生子の動脈管内径は投与後30分, 60分, 90分のいずれの時期においても対照群と比べて有意に大きかった. 帝王切開180分後では対照群の動脈管は閉鎖していたが, その時50mg/kgのEMを投与すると動脈管は一時的に再開存し, その後閉鎖した. これらの結果は, EMは動脈管の生後の収縮を直接抑制すること, さらに一度収縮閉鎖した動脈管を再開存...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 56; no. 3; pp. 605 - 606
Main Authors 塩田, 浩平, 宗宮, 弘明, 有嶋, 和義, 江口, 保暢, 小田, 隆司, 山本, 雅子, 滝沢, 達也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1994
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.56.605

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Summary:妊娠ラットから帝王切開により取り出した新生子ラットにアンジオテンシン変換酵素阻害剤マレイン酸エナラプリル(EM)を帝王切開直後あるいは180分後に皮下投与し, 動脈管の内径を経時的に測定した. 帝王切開直後に10あるいは50mg/kgのEMを投与した新生子の動脈管内径は投与後30分, 60分, 90分のいずれの時期においても対照群と比べて有意に大きかった. 帝王切開180分後では対照群の動脈管は閉鎖していたが, その時50mg/kgのEMを投与すると動脈管は一時的に再開存し, その後閉鎖した. これらの結果は, EMは動脈管の生後の収縮を直接抑制すること, さらに一度収縮閉鎖した動脈管を再開存させる作用を有することを示す.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.56.605