認知症を有する脳卒中および大腿骨頸部骨折患者のADL構造 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準による解析

〔目的〕認知機能の低下が脳卒中および大腿骨頸部骨折患者のADL構造に及ぼす影響を明らかにする.〔対象〕日本リハビリテーション医学会患者データベースより対象となる症例を抽出した.〔方法〕認知症高齢者の日常生活自立度判定基準を指標に対象症例を4群に分け,FIM運動項目得点とRasch分析で求められたADL難易度を群間で比較した.〔結果〕脳卒中3,367例,大腿骨頸部骨折595例が抽出された.4群に分けた対象症例は両疾患とも重度になるにしたがいFIM得点が低下した.ADLの重度化にともないADL難易度順位の入れ替わりがあった.〔結語〕認知機能の重度化にともなう整容動作と排泄コントロールでの難易度の上...

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Published in理学療法科学 Vol. 29; no. 1; pp. 123 - 129
Main Authors 岩井, 信彦, 青柳, 陽一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.02.2014
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Summary:〔目的〕認知機能の低下が脳卒中および大腿骨頸部骨折患者のADL構造に及ぼす影響を明らかにする.〔対象〕日本リハビリテーション医学会患者データベースより対象となる症例を抽出した.〔方法〕認知症高齢者の日常生活自立度判定基準を指標に対象症例を4群に分け,FIM運動項目得点とRasch分析で求められたADL難易度を群間で比較した.〔結果〕脳卒中3,367例,大腿骨頸部骨折595例が抽出された.4群に分けた対象症例は両疾患とも重度になるにしたがいFIM得点が低下した.ADLの重度化にともないADL難易度順位の入れ替わりがあった.〔結語〕認知機能の重度化にともなう整容動作と排泄コントロールでの難易度の上昇は,これらのADLに対する早期からの配慮が重要であることを示す.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.29.123