上肢の運動時における正中神経の運動解析
〔目的〕本研究は上肢の運動時における正中神経の運動について調査することを目的とした.〔対象〕健常成人13名(年齢の平均±標準偏差は23.4 ± 3.9歳)を対象とした.〔方法〕手指自動屈曲運動と正中神経動力学検査を行い,前腕中央部の正中神経超音波画像を撮像した.次に横断的移動距離,横断面積,外周径,最適楕円長短径比を算出し,運動の前後で比較した.〔結果〕手指屈曲運動および正中神経動力学検査はともに,正中神経は筋の動きに応じて横断方向に移動し,その動き方は被験者ごとに異なっていた.一方横断面積,外周径,最適楕円長短径比は運動の前後で有意な変化はなかった.〔結語〕正中神経は手指屈筋の収縮および正中...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 30; no. 2; pp. 273 - 277 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2015
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Subjects | |
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Summary: | 〔目的〕本研究は上肢の運動時における正中神経の運動について調査することを目的とした.〔対象〕健常成人13名(年齢の平均±標準偏差は23.4 ± 3.9歳)を対象とした.〔方法〕手指自動屈曲運動と正中神経動力学検査を行い,前腕中央部の正中神経超音波画像を撮像した.次に横断的移動距離,横断面積,外周径,最適楕円長短径比を算出し,運動の前後で比較した.〔結果〕手指屈曲運動および正中神経動力学検査はともに,正中神経は筋の動きに応じて横断方向に移動し,その動き方は被験者ごとに異なっていた.一方横断面積,外周径,最適楕円長短径比は運動の前後で有意な変化はなかった.〔結語〕正中神経は手指屈筋の収縮および正中神経の長軸方向の緊張による影響を受け,正中神経周囲の組織の動きに応じて様々な方向へ横断的に移動した.この運動には被験者ごとに差異がみられ,正中神経滑走の個別性が示唆された. |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.30.273 |