高次脳機能障害者に対するチームでの調理訓練の取り組み

脳血管障害により注意や遂行機能障害などの高次脳機能障害を呈した54歳の男性に対する調理訓練の効果について報告する。事例は調理師をしていたが,離婚のため一人暮らしであった。調理師としての復職を目標にしていた事例に対して,能力の気づきを促すためチームで調理訓練を行った。チームを作業療法士,理学療法士,言語聴覚士,医療ソーシャルワーカーなどの多職種で構成した。調理訓練を約4か月続け,最初は易しいものから次第に難しいものへと段階づけた。また課題が困難な時には,次第にレベルを上げ順応できるような適切な援助を提供した。最終的に実践的な取り組みとして模擬食堂を開催した結果,事例は調理能力に対しての気づきが改...

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Published in日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携 Vol. 7; no. 1; pp. 19 - 26
Main Authors 山田, 裕子, 加藤, 美緒, 大庭, 絵理, 菅原, さとみ, 外里, 冨佐江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療福祉連携教育学会 2014
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ISSN1883-6380
2434-4842
DOI10.32217/jaipe.7.1_19

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Summary:脳血管障害により注意や遂行機能障害などの高次脳機能障害を呈した54歳の男性に対する調理訓練の効果について報告する。事例は調理師をしていたが,離婚のため一人暮らしであった。調理師としての復職を目標にしていた事例に対して,能力の気づきを促すためチームで調理訓練を行った。チームを作業療法士,理学療法士,言語聴覚士,医療ソーシャルワーカーなどの多職種で構成した。調理訓練を約4か月続け,最初は易しいものから次第に難しいものへと段階づけた。また課題が困難な時には,次第にレベルを上げ順応できるような適切な援助を提供した。最終的に実践的な取り組みとして模擬食堂を開催した結果,事例は調理能力に対しての気づきが改善した。調理訓練と模擬食堂の開催は,注意や遂行機能障害などの高次脳機能障害を呈した事例に効果的であった。
ISSN:1883-6380
2434-4842
DOI:10.32217/jaipe.7.1_19