公衆衛生学:サルファメタジンの直接競合的な酵素測定法(短報)

豚肉中サルファメタシン(SMZ)を定性分析する直接競合的酵素免疫測定法(ELISA)を開発した.免疫タンパク質の交差反応は試験に用いた9種のサルファ剤の中ではサルファメラジンとの間3.5μg/g濃度で観察した.豚肉の試料にSMZを加えた後,C18と混合し,ヘキサンとジクロメタンを用いて溶出した試料を自家製のELISA,市販ELISAおよびHPLCを用いて分析した結果,自家製の分析結果とHPLCの分析結果との間には有意な相関関係(r=0.993,p<0.01)が認められた.また,自家製のELISAと市販ELISAキットの感度は同程度であった.IgGを固定化したマイクロレートを14日間40°...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 62; no. 10; pp. 1121 - 1123
Main Authors 宋, 昊哲, 高, 殷我, 朴, 〓弘
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 2000
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Summary:豚肉中サルファメタシン(SMZ)を定性分析する直接競合的酵素免疫測定法(ELISA)を開発した.免疫タンパク質の交差反応は試験に用いた9種のサルファ剤の中ではサルファメラジンとの間3.5μg/g濃度で観察した.豚肉の試料にSMZを加えた後,C18と混合し,ヘキサンとジクロメタンを用いて溶出した試料を自家製のELISA,市販ELISAおよびHPLCを用いて分析した結果,自家製の分析結果とHPLCの分析結果との間には有意な相関関係(r=0.993,p<0.01)が認められた.また,自家製のELISAと市販ELISAキットの感度は同程度であった.IgGを固定化したマイクロレートを14日間40°Cの条件下で保存した場合感度の差異はみとめられなかった.この研究により開発された自家製ELISA分析法は,10ng/g SMZの検出限界を持っており,豚肉中のSMZの定性分析に使用できると考えられる.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.62.1121