2.関節炎モデル

関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)において,動物モデルは潜在的新薬の検討に広く使われている.しかしながら,どの動物モデルがRA患者の治療反応性を予見できるかは議論の分かれるところである.昨今のRAに対する治療はTNFα,IL-6など炎症性サイトカインを阻害する生物学的製剤の登場により大きく進化し,T細胞をターゲットとしたCTLA-4Igや,B細胞除去抗体である抗CD20抗体の効果も実証され,RAにおける病因の中枢はこれら3つの経路に依存すると考えられる.振り返ると,RAで認可された薬や承認待ちの薬で最もよく使用されていた動物モデルは,アジュバント関節炎(adjuva...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 101; no. 10; pp. 2839 - 2843
Main Author 松本, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2012
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.101.2839

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Summary:関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)において,動物モデルは潜在的新薬の検討に広く使われている.しかしながら,どの動物モデルがRA患者の治療反応性を予見できるかは議論の分かれるところである.昨今のRAに対する治療はTNFα,IL-6など炎症性サイトカインを阻害する生物学的製剤の登場により大きく進化し,T細胞をターゲットとしたCTLA-4Igや,B細胞除去抗体である抗CD20抗体の効果も実証され,RAにおける病因の中枢はこれら3つの経路に依存すると考えられる.振り返ると,RAで認可された薬や承認待ちの薬で最もよく使用されていた動物モデルは,アジュバント関節炎(adjuvant induced arthritis:AIA),コラーゲン誘導関節炎(collagen typeII-induced arthritis:CIA)であったが,本稿では重要な関節炎動物モデルを列挙し,現状までの病因論,RA治療・臨床応用の観点からそれらを対比し論じる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.101.2839