多発性筋炎・皮膚筋炎の診療における最近のとらえ方
多発性筋炎(polymyositis:PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)は,自己組織に対して過剰な免疫応答が生じる結果,筋肉,皮膚,関節,肺などに炎症を来たす膠原病である.皮疹を認めない場合はPM,特徴的な皮疹を伴う場合はDMと診断する.PM/DMでは間質性肺炎や悪性腫瘍の併発が比較的多い.モデルマウスを用いた病態機序の解明,自己抗体の発見とその測定法の開発,間質性肺炎を併発したPM/DMの診断・治療のマネジメントなど,ここ10年で日本より世界へ多くの研究成果が発信された.2015年には厚生労働省自己免疫疾患に関する調査研究班内PM/DM分科会により治療ガイドラインが作成...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 105; no. 11; pp. 2251 - 2258 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.105.2251 |
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Summary: | 多発性筋炎(polymyositis:PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)は,自己組織に対して過剰な免疫応答が生じる結果,筋肉,皮膚,関節,肺などに炎症を来たす膠原病である.皮疹を認めない場合はPM,特徴的な皮疹を伴う場合はDMと診断する.PM/DMでは間質性肺炎や悪性腫瘍の併発が比較的多い.モデルマウスを用いた病態機序の解明,自己抗体の発見とその測定法の開発,間質性肺炎を併発したPM/DMの診断・治療のマネジメントなど,ここ10年で日本より世界へ多くの研究成果が発信された.2015年には厚生労働省自己免疫疾患に関する調査研究班内PM/DM分科会により治療ガイドラインが作成された.これらの成果により,日常診療を行う上で非常に有用なノウハウが,医療従事者や患者を含め世の中へ示された.今後,PM/DM患者の機能予後・生命予後のさらなる改善をめざし,具体的な個別化医療の確立が求められる. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.105.2251 |