生理学:骨格筋a-アクチンプロモーター/EGFP融合遺伝子導入による骨格筋衛星細胞の同定(短報)

骨格筋a−アクチンプロモーターにより筋細胞のみにenhanced green fluorescent protein(EGFP)を発現させるベクター,pSKA−EGFPを構築した.pSKA−EGFPを導入したラット骨格筋初代培養細胞では,EGFP陽性細胞はすべてデスミン陽性であった.これらEGFP陽性細胞の中には,増殖中の細胞,すなわち筋衛星細胞が存在していた.馬骨格筋由来の初代培養細胞でも,pSKA−EGFPによりEGFP陽性を示す細胞が観察され,これらの細胞は,in vitroで筋管細胞を形成した.以上の結果から,pSKA−EGFPは筋衛星細胞を同定し,その挙動を生存状態でリアルタイムに観...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 62; no. 11; pp. 1213 - 1216
Main Authors 東條, 英昭, 鈴木, 俊一, 内藤, 邦彦, 山内, 啓太郎, 長谷川, 晃久, 添田, 知恵
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 2000
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.62.1213

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Summary:骨格筋a−アクチンプロモーターにより筋細胞のみにenhanced green fluorescent protein(EGFP)を発現させるベクター,pSKA−EGFPを構築した.pSKA−EGFPを導入したラット骨格筋初代培養細胞では,EGFP陽性細胞はすべてデスミン陽性であった.これらEGFP陽性細胞の中には,増殖中の細胞,すなわち筋衛星細胞が存在していた.馬骨格筋由来の初代培養細胞でも,pSKA−EGFPによりEGFP陽性を示す細胞が観察され,これらの細胞は,in vitroで筋管細胞を形成した.以上の結果から,pSKA−EGFPは筋衛星細胞を同定し,その挙動を生存状態でリアルタイムに観察するうえで有用であると考えられた.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.62.1213