健常高齢者及び慢性疾患を有する高齢者の主観的健康感

本研究において、在宅で生活する健常高齢者及び慢性疾患を有する高齢者112名(男性45名、女性67名、平均年齢74.2歳)の主観的健康感をSUBI(The Subjective Well-being Inventory)を用いて調査し、疾患別(健常群31名、整形疾患群36名、内科疾患群22名、脳血管障害群23名)の主観的健康感の特徴を明らかにすることを試みた。対象者全体としての主観的健康感は、SUBI項目の標準化された得点区分に従うと、ポジティブ面・ネガティブ面ともに健康度は良好と判定された。一方、性差は認められなかった。さらに、健常、整形疾患、内科疾患、脳血管障害の4群間におけるSUBI得点の...

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Published in行動医学研究 Vol. 11; no. 1; pp. 23 - 31
Main Authors 津田, 彰, 稲谷, ふみ枝, 村田, 伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動医学会 2005
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ISSN1341-6790
2188-0085
DOI10.11331/jjbm.11.23

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Summary:本研究において、在宅で生活する健常高齢者及び慢性疾患を有する高齢者112名(男性45名、女性67名、平均年齢74.2歳)の主観的健康感をSUBI(The Subjective Well-being Inventory)を用いて調査し、疾患別(健常群31名、整形疾患群36名、内科疾患群22名、脳血管障害群23名)の主観的健康感の特徴を明らかにすることを試みた。対象者全体としての主観的健康感は、SUBI項目の標準化された得点区分に従うと、ポジティブ面・ネガティブ面ともに健康度は良好と判定された。一方、性差は認められなかった。さらに、健常、整形疾患、内科疾患、脳血管障害の4群間におけるSUBI得点の比較から、とくに、内科疾患群の健康感の低下が見出された。SUBI下位項目に関しては、健常群と整形群では家族関係、脳血管群では社会的なつながりや支え、内科疾患群では身体的健康感の得点が低かった。これらの結果より、慢性疾患を有する高齢者の主観的健康感のレベルが疾患によって異なること、主観的健康感に寄与する下位尺度項目の内容が異なることが明らかとなり、疾患に応じた適切で妥当な心理的介入の必要性が示唆された。
ISSN:1341-6790
2188-0085
DOI:10.11331/jjbm.11.23