熱水活動域におけるケーブル式観測システム構築のための事前調査手法と実海域での検証

海底の継続的なモニタリングを可能とする手法として,通信と電力を常時供給可能なケーブル式海底観測システムが広く活用されつつある.ケーブル式観測システムは,ケーブルに損傷を与えないよう海底熱水活動や急峻な地形を避けて常温の海底面上に構築されることが多い.しかし,高温の熱水が吹き出す海底熱水活動を継続的にモニタリングするためのケーブル式観測システムを構築する手法は確立されていない.そこで,本論文では,海底熱水活動域にケーブル式観測システムを構築するための事前調査航海において求められる調査内容を明らかにすると共に,地理情報システム(Geographic Information System: GIS)...

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Published inJAMSTEC Report of Research and Development Vol. 26; pp. 21 - 35
Main Authors 谷, 健一郎, 樋泉, 昌之, 西田, 周平, 横引, 貴史, 笠谷, 貴史, 小寺, 透, 川口, 勝義, 大木, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人海洋研究開発機構 01.03.2018
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ISSN1880-1153
2186-358X
DOI10.5918/jamstecr.26.21

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Summary:海底の継続的なモニタリングを可能とする手法として,通信と電力を常時供給可能なケーブル式海底観測システムが広く活用されつつある.ケーブル式観測システムは,ケーブルに損傷を与えないよう海底熱水活動や急峻な地形を避けて常温の海底面上に構築されることが多い.しかし,高温の熱水が吹き出す海底熱水活動を継続的にモニタリングするためのケーブル式観測システムを構築する手法は確立されていない.そこで,本論文では,海底熱水活動域にケーブル式観測システムを構築するための事前調査航海において求められる調査内容を明らかにすると共に,地理情報システム(Geographic Information System: GIS)を用いて,航跡や観測結果の管理,情報の統合を地理空間上で行うことで,ケーブル式観測システムの敷設・配置に必要な情報収集や計画立案を効率的に実施可能とする手法を提案する.海中作業ロボット(Remotely Operated Vehicle: ROV)を用いた実際の海底熱水活動域での調査航海において提案手法を実践することでその妥当性を実証すると共に,海底熱水活動や海底面温度マッピングを行い,得られた熱水活動分布やそれに基づくケーブル式観測システムの配置計画についても議論することを目的とする.
ISSN:1880-1153
2186-358X
DOI:10.5918/jamstecr.26.21