人工膝関節全置換術後におけるコールドパックを用いたクライオセラピーの有効性の検討

本研究の目的は, 人工膝関節全置換術 (以下TKA) 後においてコールドパックを用いたクライオセラピーの有効性を検討するものである。48例48膝を対象とし, 無作為にクライオセラピー実施群 ・ 非実施群に分け, 体表面温度 ・ 出血量 ・ 下肢の腫脹 ・ INR値 ・ 疼痛を計測した。体表面温度と疼痛は, 帰室時 ・ 術後4時間 ・ 10時間 ・ 24時間 ・ 48時間 ・ 72時間に計測し, 出血量と下肢の腫脹は術後 24時間 ・ 48時間 ・ 72時間の計測, INR (プロトロンビン比の国際正常化指数) 値は術前 ・ 術後4日目の測定とした。結果は体表面温度においては実施群の患肢は非実施...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 6; no. 1; pp. 54 - 60
Main Authors 細田, 悦子, 柴田, 幸子, 西之園, 絢子, 赤崎, 美由紀, 正野, 逸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.05.2007
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.6.1_54

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Summary:本研究の目的は, 人工膝関節全置換術 (以下TKA) 後においてコールドパックを用いたクライオセラピーの有効性を検討するものである。48例48膝を対象とし, 無作為にクライオセラピー実施群 ・ 非実施群に分け, 体表面温度 ・ 出血量 ・ 下肢の腫脹 ・ INR値 ・ 疼痛を計測した。体表面温度と疼痛は, 帰室時 ・ 術後4時間 ・ 10時間 ・ 24時間 ・ 48時間 ・ 72時間に計測し, 出血量と下肢の腫脹は術後 24時間 ・ 48時間 ・ 72時間の計測, INR (プロトロンビン比の国際正常化指数) 値は術前 ・ 術後4日目の測定とした。結果は体表面温度においては実施群の患肢は非実施群よりも1℃程度経時的に低下し有意差が認められた。出血量 ・ INR値においては両群間に有意差は認められず, 腫脹においても大腿周径 ・ 膝関節裂隙周径 ・ 下腿周径それぞれの部位にて有意差は認められなかった. VASを用いた疼痛評価においても有意差は認められなかった. 今回の研究からコールドパックを用いたクライオセラピーではTKA後72時間においては膝内側体表面温度 ・ 出血量 ・ 下肢の腫脹 ・ INR値 ・ 疼痛に対する有効性はないことが示唆された.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.6.1_54