重症肺炎に併発した対側緊張性気胸ドレナージ後の再膨張性肺水腫をECMOで救命し得た1例

症例は42歳男性,左重症肺炎に合併した右緊張性気胸を発症し,急性呼吸不全にて当院へ救急搬送された.ただちに右胸腔ドレナージを施行して右肺の拡張が得られ,一旦呼吸状態は改善した.しかしその約2時間後,再膨張性肺水腫を発症し,急速に呼吸不全が悪化,ショック状態となったため,Veno-venous extracorporeal membrane oxygenation(V-V ECMO)を導入した.ECMO導入後,全身状態は速やかに改善し,5日目に離脱することができた.また,ECMOに起因する合併症や後遺症は認めなかった.その後,手術と胸膜癒着術を施行し気胸は治癒,入院43日目に無事に退院した....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 568 - 572
Main Authors 西村, 正士, 福井, 高幸, 伊藤, 志門, 野亦, 悠史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.07.2018
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.568

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Summary:症例は42歳男性,左重症肺炎に合併した右緊張性気胸を発症し,急性呼吸不全にて当院へ救急搬送された.ただちに右胸腔ドレナージを施行して右肺の拡張が得られ,一旦呼吸状態は改善した.しかしその約2時間後,再膨張性肺水腫を発症し,急速に呼吸不全が悪化,ショック状態となったため,Veno-venous extracorporeal membrane oxygenation(V-V ECMO)を導入した.ECMO導入後,全身状態は速やかに改善し,5日目に離脱することができた.また,ECMOに起因する合併症や後遺症は認めなかった.その後,手術と胸膜癒着術を施行し気胸は治癒,入院43日目に無事に退院した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.568