大学生における風疹ワクチンTCRB19株接種後の風疹IgM抗体反応について

• Published in: 感染症学雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 302 - 308
• Main Authors: 丸山, 典彦, 伊藤, 宏, 新井, 好玄, 木内, 哲也, 戸根, 慶子, 内山, 秀和, 仲座, 政宏, 等々力, 達也, 松井, 清治
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本感染症学会 1988
• ISSN: 0387-5911; 1884-569X
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.62.302

風疹HI抗体陰性の大学生20名にワクチン接種した後, 経時的にHI抗体ならびに風疹特異IgM抗体を測定し, 次の成績を得た. 1.HI抗体の上昇は接種6週後に全例が陽転し, 平均HI抗体価は34.3倍を示し, 1年後においても有意の低下はみられなかった. 2. 風疹IgM抗体の測定に際し, SPARC法はSDGGHI法およびEIA法に比べ, 感度の点で優れていた. 3.IgM抗体の上昇は接種後, 3週からみられ, 6週で13/20, (65%) と最も高率に検出された.平均IgM-SPARC価は3300倍を示した. さらに1年後においては3/19, (15.8%) に認められた. 4. ワクチン接種後, 3週から52週に至るまでのIgM抗体の産生においてSPARC価とEIA値との間に相関 (γ=0.74) が認められた. 5. ワクチン接種後の副反応の発現と高HI抗体価およびIgM長期持続性群との間に有意の因果関係は認められなかった.