医学生を対象とした心肺蘇生法の実技評価

心肺蘇生法の講義のみを履修した医学生がどの程度の一次救命処置を実施できるかをシミュレータを用いて評価した。4学年時に心肺蘇生法の講義を1時限 (50分) のみ履修した金沢医科大学医学部5学年96名を対象とした。 正常モード (声に反応して開眼, 呼吸性腹璧運動, 脈拍触知) に設定したマイコン制御の心肺蘇生用シミュレータに対し, 医学生がどのように対応するかを観察・評価した。意識の有無の評価, 救援の依頼, 呼吸・心拍の観察・判断・処置を評価項目とした。その結果, 42名 (43.8%) が心肺停止状態と誤認し, すべてを正しく観察・判断できた学生はわずか6名 (6.2%) であった。心肺蘇生...

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Published in蘇生 Vol. 16; no. 1; pp. 24 - 27
Main Authors 有山, 淳, 川口, 秀二, 青野, 允, 松田, 富雄, 松田, 知之, 小柳, 覺
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 20.04.1997
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology1983.16.24

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Summary:心肺蘇生法の講義のみを履修した医学生がどの程度の一次救命処置を実施できるかをシミュレータを用いて評価した。4学年時に心肺蘇生法の講義を1時限 (50分) のみ履修した金沢医科大学医学部5学年96名を対象とした。 正常モード (声に反応して開眼, 呼吸性腹璧運動, 脈拍触知) に設定したマイコン制御の心肺蘇生用シミュレータに対し, 医学生がどのように対応するかを観察・評価した。意識の有無の評価, 救援の依頼, 呼吸・心拍の観察・判断・処置を評価項目とした。その結果, 42名 (43.8%) が心肺停止状態と誤認し, すべてを正しく観察・判断できた学生はわずか6名 (6.2%) であった。心肺蘇生教育をより効果的に実施するためには, プライマリ・ケアによって患者の観察, 病態の把握を徹底して教育することが重要と考える。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.16.24