頭頸部領域におけるwet labo trainingの取り組み

外科手術手技の習得には解剖学的知識,手術器具の正しい運用,手術手技についての知識と経験が必要である。手術手技のトレーニング方法は上級医の手術に助手として参加して実際の手術手技を学ぶon the job training(OnJT)・模型やシミュレーターを用いるdry labo training(DLT)・ヒト以外の生体を用いるwet labo training(WLT)などに分類されるが,頭頸部領域ではいまだ報告が少ない。そこで今回われわれは頭頸部手術の習熟のため生体モデルを用いて手術トレーニングを実施し,その有効性を確認するためトレーニング前後でアンケートをとり自己習熟度評価を検討した。対象...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 3; pp. 265 - 269
Main Authors 丸山, 祐樹, 嶋根, 俊和, 上村, 佐和, 水吉, 朋美, 小林, 一女, 江川, 峻哉, 安藤, いづみ, 櫛橋, 幸民, 池田, 賢一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.30.265

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Summary:外科手術手技の習得には解剖学的知識,手術器具の正しい運用,手術手技についての知識と経験が必要である。手術手技のトレーニング方法は上級医の手術に助手として参加して実際の手術手技を学ぶon the job training(OnJT)・模型やシミュレーターを用いるdry labo training(DLT)・ヒト以外の生体を用いるwet labo training(WLT)などに分類されるが,頭頸部領域ではいまだ報告が少ない。そこで今回われわれは頭頸部手術の習熟のため生体モデルを用いて手術トレーニングを実施し,その有効性を確認するためトレーニング前後でアンケートをとり自己習熟度評価を検討した。対象はトレーニングに参加した24名の医師のうち指導する立場として参加した5名を除く19名で,項目はメスの取り扱い・電気メスの取り扱い・エネルギーデバイスの操作・縫合操作・剥離操作・結紮操作・神経血管同定・神経血管操作についての8項目について1から10段階のNumeric Rating Scale(NRS)を用いて点数化し,トレーニング前後で2群間比較した。結果,自己習熟度評価は全項目で上昇し,トレーニングは手技の向上において有意に有効な結果であった。生体モデルを用いたトレーニングは技術の向上や医療安全の面からも有用であると考えられる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.265