梨状陥凹瘻2例の超音波所見

梨状陥凹瘻は咽頭囊の遺残による先天奇形で,甲状腺炎の感染経路となる。福島県の甲状腺検査(FUTE)を受け手術した2例を報告する。 症例1は14歳女性,症例2は15歳女性である。FUTEの超音波検査とほかの検査を行い,それぞれ右,左の梨状陥凹瘻と診断し瘻管摘出術を行っている。2例のFUTEの超音波検査で甲状軟骨後外側から甲状腺を突き抜ける低エコーの管状構造と,甲状腺悪性腫瘍と鑑別を要する複数の所見を認めた。 甲状軟骨後外側から甲状腺を突き抜ける低エコーの管状構造は梨状陥凹瘻を疑う超音波所見であるが,甲状腺炎を生じると甲状腺悪性腫瘍と鑑別が難しく,ほかの検査と併せた診断が重要である。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 3; pp. 379 - 384
Main Authors 松塚, 崇, 室野, 重之, 鈴木, 政博, 垣野内, 景
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.30.379

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Summary:梨状陥凹瘻は咽頭囊の遺残による先天奇形で,甲状腺炎の感染経路となる。福島県の甲状腺検査(FUTE)を受け手術した2例を報告する。 症例1は14歳女性,症例2は15歳女性である。FUTEの超音波検査とほかの検査を行い,それぞれ右,左の梨状陥凹瘻と診断し瘻管摘出術を行っている。2例のFUTEの超音波検査で甲状軟骨後外側から甲状腺を突き抜ける低エコーの管状構造と,甲状腺悪性腫瘍と鑑別を要する複数の所見を認めた。 甲状軟骨後外側から甲状腺を突き抜ける低エコーの管状構造は梨状陥凹瘻を疑う超音波所見であるが,甲状腺炎を生じると甲状腺悪性腫瘍と鑑別が難しく,ほかの検査と併せた診断が重要である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.379