再建遊離空腸潰瘍に続発した頸動脈破裂症例

症例は70歳,男性。主訴は吐血。自宅で突然の吐血を生じ,救急車にて当院に搬送された。既往歴として,7年前に下咽頭癌に対して放射線治療と右頸部郭清術を施行。4か月前に下咽頭癌再発に対して,咽喉食摘,遊離空腸による再建が施行されている。初診時,すでに止血状態であり,再建遊離空腸からの出血と考え保存的治療を行うも再出血を認め,全身麻酔下の観察で,再建遊離空腸右側の潰瘍と穿孔,それに伴う外頸動脈仮性動脈瘤破裂による出血と診断した。血管内治療で外頸動脈を塞栓して止血を行った後,壊死した遊離空腸の部分切除と大胸筋皮弁による再建を行った。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 3; pp. 391 - 394
Main Authors 竹本, 剛, 折田, 浩志, 岡﨑, 吉紘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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Summary:症例は70歳,男性。主訴は吐血。自宅で突然の吐血を生じ,救急車にて当院に搬送された。既往歴として,7年前に下咽頭癌に対して放射線治療と右頸部郭清術を施行。4か月前に下咽頭癌再発に対して,咽喉食摘,遊離空腸による再建が施行されている。初診時,すでに止血状態であり,再建遊離空腸からの出血と考え保存的治療を行うも再出血を認め,全身麻酔下の観察で,再建遊離空腸右側の潰瘍と穿孔,それに伴う外頸動脈仮性動脈瘤破裂による出血と診断した。血管内治療で外頸動脈を塞栓して止血を行った後,壊死した遊離空腸の部分切除と大胸筋皮弁による再建を行った。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.391