2)マスト細胞と大動脈疾患

マスト細胞はI型アレルギーのみならず,慢性炎症,腫瘍増生,血管新生,組織リモデリング等,生体内で幅広く活躍する.マスト細胞の分泌顆粒であるトリプターゼやキマーゼをはじめ,種々のサイトカインが同細胞の活性化に伴い放出され病態を修飾する.マスト細胞の欠損した小動物を用いた検討から同細胞が腹部大動脈瘤の進展に関与することが示唆される.マスト細胞の集簇や活性化の抑制は同疾患に対する治療標的になる可能性がある....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 99; no. 2; pp. 245 - 250
Main Authors 北村, 和雄, 畠山, 金太, 鶴田, 敏博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2010
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.99.245

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Summary:マスト細胞はI型アレルギーのみならず,慢性炎症,腫瘍増生,血管新生,組織リモデリング等,生体内で幅広く活躍する.マスト細胞の分泌顆粒であるトリプターゼやキマーゼをはじめ,種々のサイトカインが同細胞の活性化に伴い放出され病態を修飾する.マスト細胞の欠損した小動物を用いた検討から同細胞が腹部大動脈瘤の進展に関与することが示唆される.マスト細胞の集簇や活性化の抑制は同疾患に対する治療標的になる可能性がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.99.245