同日施行した乳児 Click-evoked ABR の V 波検出閾値と ASSR 推定聴力レベルについて 生後 6 カ月以内児を対象に
要旨: 同日に click-evoked ABR と ASSR を施行した生後6カ月以内の乳児82例163耳を対象に V 波の検出閾値 (以下 V 波閾値) と ASSR による推定聴力レベル (以下 ASSR 推定聴力) について検討した。V 波閾値と ASSR による 0.5kHz, 1kHz, 2kHz, 4kHz の推定聴力及び4分法 A による平均聴力にはすべて強い相関があった。V 波閾値が 20dBnHL 以内の105耳中95耳について, 同日の ASSR 推定聴力は4周波数とも 35dB 以内であった。V 波閾値 30dBnHL の3耳全耳は ASSR 推定聴力上2周波数が 45...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 65; no. 1; pp. 66 - 76 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.02.2022
日本聴覚医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.65.66 |
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Summary: | 要旨: 同日に click-evoked ABR と ASSR を施行した生後6カ月以内の乳児82例163耳を対象に V 波の検出閾値 (以下 V 波閾値) と ASSR による推定聴力レベル (以下 ASSR 推定聴力) について検討した。V 波閾値と ASSR による 0.5kHz, 1kHz, 2kHz, 4kHz の推定聴力及び4分法 A による平均聴力にはすべて強い相関があった。V 波閾値が 20dBnHL 以内の105耳中95耳について, 同日の ASSR 推定聴力は4周波数とも 35dB 以内であった。V 波閾値 30dBnHL の3耳全耳は ASSR 推定聴力上2周波数が 45dB 以上で軽中等度難聴1耳, 滲出性中耳炎2耳であった。V 波閾値が 40dBnHL の18耳全耳は2周波数以上で ASSR 推定聴力が 45dB 以上で軽中等度難聴11耳, 重症外耳道狭窄1耳, 難治性滲出性中耳炎5耳, 正常1耳であった。V 波閾値 50dBnHL 以上の37耳も全耳 ASSR 推定聴力に異常を認める異常耳 (軽中等度難聴14耳・高度難聴2耳・重度難聴11耳・重症外耳道狭窄2耳・重症滲出性中耳炎8耳) であった。V 波閾値が 40dBnHL 以上の場合は聴力障害が存在する可能性が高く迅速に ASSR を含めた聴力評価が必要である。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.65.66 |