冷酒, 燗酒, 香港のビール

愛酒家の筆者が価値の多様化時代の波に乗って気分の赴くままに綴る酒談義。清酒と命のやりとりも辞さなかった父君の思い出から筆を起し, 冷用に一工夫加えて好みの自家用冷凍清酒を発明したり, 信州などの旅に出ては, はからずも地酒のうまいのにぶつかったり, ワインは白に限ると敢えて自己主張することをいとわない。最後に, 雨期の香港で苦痛を伴う飲酒条件を整えた上で, これと引替えに生涯忘れ得ないビールの味を心に焼き付けたりしている。行間, 酒仙の趣きが漂っているが, 淡々とした語り口には今後の清酒の在り方についての示唆が秘められているようでもある。読者各位の発掘にお委せしたい。...

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Bibliographic Details
Published in日本釀造協會雜誌 Vol. 72; no. 10; pp. 707 - 709
Main Author 殿木, 圭一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本醸造協会 1977
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Summary:愛酒家の筆者が価値の多様化時代の波に乗って気分の赴くままに綴る酒談義。清酒と命のやりとりも辞さなかった父君の思い出から筆を起し, 冷用に一工夫加えて好みの自家用冷凍清酒を発明したり, 信州などの旅に出ては, はからずも地酒のうまいのにぶつかったり, ワインは白に限ると敢えて自己主張することをいとわない。最後に, 雨期の香港で苦痛を伴う飲酒条件を整えた上で, これと引替えに生涯忘れ得ないビールの味を心に焼き付けたりしている。行間, 酒仙の趣きが漂っているが, 淡々とした語り口には今後の清酒の在り方についての示唆が秘められているようでもある。読者各位の発掘にお委せしたい。
ISSN:0369-416X
2186-4004
DOI:10.6013/jbrewsocjapan1915.72.707