光熱界面流れによる微小液滴の操作

近年,マイクロスケールの液滴内に細胞や試薬を内包することで極微小反応場を実現するような,マイクロ流体デバイスでの液滴の利用が注目されている.通常,デバイス内での液滴の経路は流路形状によって決定されるが,著者らは,”光を用いた液滴経路の書き込み”を実現するべく,液滴近傍への光加熱により与えた局所的な温度勾配によって誘起される光熱マランゴニ効果を用いた自由かつ選択的な微小液滴操作に関する研究を行っている.本稿では,容量5~65 pLの微小液滴に,バー型やフォーカス型といった任意形状の光を照射することで,多彩な液滴制御の可能性を示しているとともに,液滴操作の光出力・流量・液滴サイズに対する依存性につ...

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Published in可視化情報学会論文集 Vol. 36; no. 2; pp. 8 - 15
Main Authors 武藤, 真和, 星, 麻美, 山本, 誠, 元祐, 昌廣
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 可視化情報学会 2016
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Summary:近年,マイクロスケールの液滴内に細胞や試薬を内包することで極微小反応場を実現するような,マイクロ流体デバイスでの液滴の利用が注目されている.通常,デバイス内での液滴の経路は流路形状によって決定されるが,著者らは,”光を用いた液滴経路の書き込み”を実現するべく,液滴近傍への光加熱により与えた局所的な温度勾配によって誘起される光熱マランゴニ効果を用いた自由かつ選択的な微小液滴操作に関する研究を行っている.本稿では,容量5~65 pLの微小液滴に,バー型やフォーカス型といった任意形状の光を照射することで,多彩な液滴制御の可能性を示しているとともに,液滴操作の光出力・流量・液滴サイズに対する依存性についての調査を行った.実験結果として,大径液滴で光出力が高いほど,駆動力は強くなり,より操作しやすくなることを示した.
ISSN:1346-5260
DOI:10.3154/tvsj.36.8