カルシウムの水酸化物,炭酸塩,シュウ酸塩およびギ酸塩をそれぞれ熱分解して調製した酸化カルシウムにおける塩基触媒活性の比較

カルシウムの水酸化物,炭酸塩,シュウ酸塩およびギ酸塩をそれぞれ出発物質として大気下で熱分解を行い,酸化カルシウムを調製した。それぞれの試料の塩基触媒活性は逆アルドール反応により比較した。その結果,それぞれの出発物質を熱分解したCaOでの塩基触媒活性は,シュウ酸塩,炭酸塩,水酸化物,ギ酸塩の順で高かった。その中でもシュウ酸塩を1123 Kで熱分解した酸化カルシウムが最も高活性であった。シュウ酸塩とギ酸塩はどちらも炭酸塩を経て酸化物になっていることが明らかとなった。そのため,熱分解温度に対する触媒活性の傾向は炭酸塩,シュウ酸塩,ギ酸塩で非常に似ていた。炭酸塩,シュウ酸塩,ギ酸塩を1023 K以上の...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 66; no. 4; pp. 115 - 120
Main Authors 松橋, 博美, 北川, 路子, 比佐, 遼太, 藤林, 那月
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 石油学会 01.07.2023
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.66.115

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Summary:カルシウムの水酸化物,炭酸塩,シュウ酸塩およびギ酸塩をそれぞれ出発物質として大気下で熱分解を行い,酸化カルシウムを調製した。それぞれの試料の塩基触媒活性は逆アルドール反応により比較した。その結果,それぞれの出発物質を熱分解したCaOでの塩基触媒活性は,シュウ酸塩,炭酸塩,水酸化物,ギ酸塩の順で高かった。その中でもシュウ酸塩を1123 Kで熱分解した酸化カルシウムが最も高活性であった。シュウ酸塩とギ酸塩はどちらも炭酸塩を経て酸化物になっていることが明らかとなった。そのため,熱分解温度に対する触媒活性の傾向は炭酸塩,シュウ酸塩,ギ酸塩で非常に似ていた。炭酸塩,シュウ酸塩,ギ酸塩を1023 K以上の高温で処理した活性CaOでは特に表面積が増加していた。高温で処理した活性CaO表面ではワームホール状のメソポアサイズの裂け目が観察された。この裂け目の形成により活性サイトを含む新たな表面が形成され,活性が向上したものと考えられる。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.66.115