メポリズマブ中止後に重度の末梢神経障害で発症した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
症例は78歳男性.喘息,副鼻腔炎の治療中,メポリズマブ中止後に喘息が増悪,急速進行性の四肢運動麻痺および感覚障害が出現した.血液検査で好酸球増多,神経伝導検査で重度の末梢神経障害を認めた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis,以下EGPAと略記)を疑いステロイドを開始後,好酸球はゼロになった.腓腹神経生検では軸索障害が示唆され,経過も併せEGPAと診断し,免疫グロブリン大量静注療法・リツキシマブ追加で神経障害の進行を抑制できた.メポリズマブ中止後に発症したEGPAでは,非典型的な経過をとる可能性がある....
Saved in:
Published in | 臨床神経学 Vol. 65; no. 2; pp. 108 - 114 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2025
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001992 |
Cover
Summary: | 症例は78歳男性.喘息,副鼻腔炎の治療中,メポリズマブ中止後に喘息が増悪,急速進行性の四肢運動麻痺および感覚障害が出現した.血液検査で好酸球増多,神経伝導検査で重度の末梢神経障害を認めた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis,以下EGPAと略記)を疑いステロイドを開始後,好酸球はゼロになった.腓腹神経生検では軸索障害が示唆され,経過も併せEGPAと診断し,免疫グロブリン大量静注療法・リツキシマブ追加で神経障害の進行を抑制できた.メポリズマブ中止後に発症したEGPAでは,非典型的な経過をとる可能性がある. |
---|---|
ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001992 |