研修医からみる腎移植医療の課題
我が国の腎移植症例数は増加傾向にあるものの、待機年数も非常に長い。その一方で社会における臓器移植の普及、更には移植医の増加も課題とされている。全国の女性医師数は増加傾向にあるが、臓器移植に関わる者は依然少ない。特に女性医師が移植医を志す上で、修練への時間の確保や献腎移植など緊急時への対応を考慮した上でのワークライフバランスとキャリア形成といった課題に直面する傾向にある。東京女子医科大学病院は日本のハイボリューム移植施設であり、移植医療の仕事における負担は大きい。近年、外来や周術期管理を移植内科医と連携をとっている。さらに、働き方改革に則した労働環境の整備を行い、各医師の負担軽減に努めており、こ...
Saved in:
Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s217_1 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.58.Supplement_s217_1 |
Cover
Summary: | 我が国の腎移植症例数は増加傾向にあるものの、待機年数も非常に長い。その一方で社会における臓器移植の普及、更には移植医の増加も課題とされている。全国の女性医師数は増加傾向にあるが、臓器移植に関わる者は依然少ない。特に女性医師が移植医を志す上で、修練への時間の確保や献腎移植など緊急時への対応を考慮した上でのワークライフバランスとキャリア形成といった課題に直面する傾向にある。東京女子医科大学病院は日本のハイボリューム移植施設であり、移植医療の仕事における負担は大きい。近年、外来や周術期管理を移植内科医と連携をとっている。さらに、働き方改革に則した労働環境の整備を行い、各医師の負担軽減に努めており、これにより泌尿器科医が手術により専念する環境が構築されてきている。このような環境下で腎移植を学ぶことで、若手のうちから手術手技に専念する期間を設けることや、研究や学会発表を積極的に行うことが可能となっている。発表者は卒後5年目の泌尿器科後期研修医であるが、このように腎移植を取り巻く環境が少しずつではあるが整備されているなかで、女性移植医として模索しながらも今後多くの腎移植に関わり、移植医療に貢献していきたいと考える。本口演では、現在の移植医療現場の課題と目標を女性移植医としての視点から考察する。 |
---|---|
ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s217_1 |