半減期ラドン水 (池田鉱泉) 吸入の組織循環に及ぼす影響

ラドン泉は, 放射能療養泉として古くから若返りの湯, 創傷治癒を促進する湯として使用されてきた1). 療養泉浴と水道水浴との差は浴後の保温作用にあると言えるが, 保温作用をもたらす機序は療養泉によりそれぞれ異なっている. われわれは, 実験的にラドン泉浴後の保温作用を組織ガス分圧2)を指標として微小組織循環動態の面より検討して, 保温作用は高濃度ラドン水の吸入により組織循環が改善される事によってもたらされることを明らかにしてきた3). ラドンは放射能泉成分の主体を成すものである. われわれは, 高濃度ラドン泉を用いてラドン泉の生体に対する正の効果を示唆したが, 放射能は一般に生体障害作用を持つ...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 53; no. 4; pp. 185 - 188
Main Authors 古元, 嘉昭, 曽田, 益弘, 平井, 俊一, 森末, 真八, 鈴鹿, 伊智雄, 萬, 秀憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1990
日本温泉気候物理医学会
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Summary:ラドン泉は, 放射能療養泉として古くから若返りの湯, 創傷治癒を促進する湯として使用されてきた1). 療養泉浴と水道水浴との差は浴後の保温作用にあると言えるが, 保温作用をもたらす機序は療養泉によりそれぞれ異なっている. われわれは, 実験的にラドン泉浴後の保温作用を組織ガス分圧2)を指標として微小組織循環動態の面より検討して, 保温作用は高濃度ラドン水の吸入により組織循環が改善される事によってもたらされることを明らかにしてきた3). ラドンは放射能泉成分の主体を成すものである. われわれは, 高濃度ラドン泉を用いてラドン泉の生体に対する正の効果を示唆したが, 放射能は一般に生体障害作用を持つものとして認識されており, また, 一方では自然放射能の成長促進的刺激作用も明らかになっている4). 従って, 放射能は効果を表わす程度に低線量であることが望ましいと考えられる. 今回, 池田鉱泉(島根県)の高濃度ラドン水の半減期の濃度のものを用いて, その効果を実験的に検討したので報告する.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.53.185