緩やかなインフレによって債務・GDP比の発散を防ぐ
本稿では主に以下の結果を示す。1) 政府債務・GDP比が無限大に発散するということはない。すなわち財政破綻は起こりえない。この結論が成り立つために必要な条件は資産所得からの消費性向が正であることだけである。2) 国債の利子率が実質成長率と比べて高いとき,債務・GDP比の発散はインフレーションによって防止される。そのためには国債利子率と実質成長率の差よりわずかに大きいインフレ率で十分である。また,このインフレーションは政策によらず自然に発生する。...
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Published in | MACRO REVIEW Vol. 36; no. 1; pp. 5 - 19 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本マクロエンジニアリング学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-0560 1884-2496 |
DOI | 10.11286/jmr.36.5 |
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Summary: | 本稿では主に以下の結果を示す。1) 政府債務・GDP比が無限大に発散するということはない。すなわち財政破綻は起こりえない。この結論が成り立つために必要な条件は資産所得からの消費性向が正であることだけである。2) 国債の利子率が実質成長率と比べて高いとき,債務・GDP比の発散はインフレーションによって防止される。そのためには国債利子率と実質成長率の差よりわずかに大きいインフレ率で十分である。また,このインフレーションは政策によらず自然に発生する。 |
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ISSN: | 0915-0560 1884-2496 |
DOI: | 10.11286/jmr.36.5 |