抗HLA抗体 最近のトピックスを中心に

臓器移植では、DSA(ドナー特異的抗体)の存在を移植前後に測定することの意義は十分に議論され、その重要性は様々な論文で報告されている。国内でも、術前術後の抗体検査を、フローサイトメーターやルミネックスなどの高性能機器を用いて検査を行う施設は増加傾向にある。しかしながら、抗体検査は日々、進化しているものの、現在の抗体検出法は多様であり、検出感度や方法論によって違いがあるなど、様々な要素が複雑に絡み合い判定基準は、非常に難しい。現在、しっかりとしたガイドラインがなく、判定基準や測定方法は施設によって違いがあり、そのデータの解釈や解析に関して議論がされているのが現状である。本シンポジウムでは、HLA...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 231_2
Main Authors 石田, 英樹, 古澤, 美由紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_231_2

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Summary:臓器移植では、DSA(ドナー特異的抗体)の存在を移植前後に測定することの意義は十分に議論され、その重要性は様々な論文で報告されている。国内でも、術前術後の抗体検査を、フローサイトメーターやルミネックスなどの高性能機器を用いて検査を行う施設は増加傾向にある。しかしながら、抗体検査は日々、進化しているものの、現在の抗体検出法は多様であり、検出感度や方法論によって違いがあるなど、様々な要素が複雑に絡み合い判定基準は、非常に難しい。現在、しっかりとしたガイドラインがなく、判定基準や測定方法は施設によって違いがあり、そのデータの解釈や解析に関して議論がされているのが現状である。本シンポジウムでは、HLA抗体検査から、更に詳細な解析が進みつつあるエピトープ解析やIgGサブクラス、C3d抗体、C1q抗体とnon-HLA抗体などの最近のトピックスを中心に、いくつかの症例を用いながら、重要性について議論するとともに、新たな発展への期待について述べ、これまでに得られた知見を紹介したい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_231_2