当院における腹膜透析施行後生体腎移植患者の検討
【目的】当院における腹膜透析施行後の生体腎移植患者を検討した。【対象・方法】2016/4~2020/3において、腹膜透析施行後に生体腎移植施行した7人を後方視的に検討した。当院では、生体腎移植希望時は腎移植可能な施設を紹介の上、腎移植後の管理を当院で施行している。【結果】年齢平均48歳(38-62)、男性4人、女性3人、腎移植前は全例腹膜透析(平均39カ月)を施行していた。現在、腎移植後平均28カ月(8-47)、平均Cre1.4 mg/dlで全例移植腎は生着している。腎移植後の主な合併症は、サイトメガロウィルス感染症1例、移植後IgA腎症1例、移植腎水腎症1例であった。移植後IgA腎症に関して...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 362_3 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2020
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.55.Supplement_362_3 |
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Summary: | 【目的】当院における腹膜透析施行後の生体腎移植患者を検討した。【対象・方法】2016/4~2020/3において、腹膜透析施行後に生体腎移植施行した7人を後方視的に検討した。当院では、生体腎移植希望時は腎移植可能な施設を紹介の上、腎移植後の管理を当院で施行している。【結果】年齢平均48歳(38-62)、男性4人、女性3人、腎移植前は全例腹膜透析(平均39カ月)を施行していた。現在、腎移植後平均28カ月(8-47)、平均Cre1.4 mg/dlで全例移植腎は生着している。腎移植後の主な合併症は、サイトメガロウィルス感染症1例、移植後IgA腎症1例、移植腎水腎症1例であった。移植後IgA腎症に関しては、移植後腎機能悪化に対して当院で移植腎生検施行し、移植腎IgA腎症の診断の上、ステロイドパルスならびに扁桃摘除術施行した。移植腎水腎症に対しては尿管カテーテルを一定期間留置の後抜去し、現在は移植腎水腎症改善している。当院の特徴である腹膜透析からの生体腎移植症例であるが、経過観察期間は短いものの移植後被嚢性腹膜硬化症は現在まで認めなかった。【結語】当院における腹膜透析施行後の生体腎移植患者を検討した。症例数は少ないものの、腹膜透析からの生体腎移植症例の移植後経過は良好であった。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.55.Supplement_362_3 |