産婦人科領域におけるCefpiramideの細菌学的, 臨床的効果
Cefpiramide (CPM) は住友化学工業 (株) と山之内製薬 (株) において新たに共同開発されたδ-Dehydrothiazine環を有する半合成のCephem系の注射用抗生物質である。本剤はCephalosporin Cの誘導体であるが, 7-Amino-cephalosporanic acidの7位側鎖にHydroxy基とMethyl基を有するPyridine環を, 3位側鎖にTetrazole環を有しているのが化学構造上の特徴である (Fig. 1)。 CPMは静脈内投与により従来のCephem系抗生物質に比べて高い血中濃度が得られ, 生物学的半減期も4~5時間と持続的であ...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 38; no. 9; pp. 2387 - 2396 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1985
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.38.2387 |
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Summary: | Cefpiramide (CPM) は住友化学工業 (株) と山之内製薬 (株) において新たに共同開発されたδ-Dehydrothiazine環を有する半合成のCephem系の注射用抗生物質である。本剤はCephalosporin Cの誘導体であるが, 7-Amino-cephalosporanic acidの7位側鎖にHydroxy基とMethyl基を有するPyridine環を, 3位側鎖にTetrazole環を有しているのが化学構造上の特徴である (Fig. 1)。 CPMは静脈内投与により従来のCephem系抗生物質に比べて高い血中濃度が得られ, 生物学的半減期も4~5時間と持続的であり, 体内で代謝されず, 大部分が未変化体のまま尿中に排泄される特性を有する1)。一方, 本剤の抗菌域は広範囲でGram陽性菌及びGram陰性菌, 特にPseudomonas属に対して殺菌的に作用し, しかも各種細菌が産生するβ-Lactamaseに対して安定であると報告されている1)。 今回, 著者らは山之内製薬からCPMの提供を受け, 婦人科感染症症例に投与し, その臨床有効性及び安全性について検討したので, その成績について報告する。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.38.2387 |