1996年臨床分離メチシリン耐性Staphylococcus aureusのマクロライド抗生剤耐性

1996年度に臨床分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 200株に対する, エリスロマイシン, クラリスロマイシン, ロキシスロマイシン, オレアンドマイシン, トリアセチルオレアンドマイシン, アジスロマイシン, ジョサマイシン及びミデカマイシンなどのマクロライド抗生剤 (ML) の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。その結果, MRSAの88%以上の株が用いた全てのMLsに対して高い耐性を示し, MIC値によって5群に分類された。このうちMLSタイプと異なったMICパターンを示す株, 即ち14員環MLに高度耐性で16員環MLに感受性を示す株が9.0%存在することが明ら...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 51; no. 7; pp. 494 - 500
Main Authors 鶴渕, 和恵, 中村, 昭夫, 澤井, 哲夫, 小原, 康治, 谷口, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.07.1998
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.51.494

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Summary:1996年度に臨床分離されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 200株に対する, エリスロマイシン, クラリスロマイシン, ロキシスロマイシン, オレアンドマイシン, トリアセチルオレアンドマイシン, アジスロマイシン, ジョサマイシン及びミデカマイシンなどのマクロライド抗生剤 (ML) の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。その結果, MRSAの88%以上の株が用いた全てのMLsに対して高い耐性を示し, MIC値によって5群に分類された。このうちMLSタイプと異なったMICパターンを示す株, 即ち14員環MLに高度耐性で16員環MLに感受性を示す株が9.0%存在することが明らかとなった。この株の一部において, エリスロマイシンあるいはオレアンドマイシンでの耐性誘導処理の結果から, クラリスロマイシン及びロキシスロマイシン耐性上昇がみられ, アジスロマイシンに対しては耐性上昇はみられないことが明らかとなった。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.51.494