免疫学的血小板輸血不応症例の解析 血小板輸血効果の向上のために
血小板減少や出血予防のために血小板輸血を必要とする造血器疾患患者において, 20~50%の血小板輸血不応状態(platelet transfusion refractoriness:PTR)が存在し, Novotnyはその要因として, HLA抗体, 血小板(HPA)抗体等の免疫学的要因, 発熱, DIC, 脾腫等の臨床的要因, 輸血血小板数, 保存日数, 残存白血球数等の製剤に係わる要因を報告している1). HLA抗体等の免疫抗体の産生を抑えるための方法として, 血小板輸血に際し, フィルターにより血小板製剤(PCs)中の白血球を除去する方法, PCsに紫外線を照射する方法を用いても, それぞ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 51; no. 5; pp. 520 - 529 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
31.10.2005
日本輸血学会 |
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ISSN | 0546-1448 1883-8383 |
DOI | 10.3925/jjtc1958.51.520 |
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Summary: | 血小板減少や出血予防のために血小板輸血を必要とする造血器疾患患者において, 20~50%の血小板輸血不応状態(platelet transfusion refractoriness:PTR)が存在し, Novotnyはその要因として, HLA抗体, 血小板(HPA)抗体等の免疫学的要因, 発熱, DIC, 脾腫等の臨床的要因, 輸血血小板数, 保存日数, 残存白血球数等の製剤に係わる要因を報告している1). HLA抗体等の免疫抗体の産生を抑えるための方法として, 血小板輸血に際し, フィルターにより血小板製剤(PCs)中の白血球を除去する方法, PCsに紫外線を照射する方法を用いても, それぞれ4%, 5%の患者においてHLA抗体やHPA抗体が産生され血小板輸血に対し不応状態になることが報告されている2). PTRにより十分な輸血効果が得られない患者に, 最も適したPCsを供給するために, 過去5年間の免疫学的要因によると考えられる59症例のPTRの詳細な原因と呼吸困難等による輸血副作用のため輸血が中止された2症例の原因について解析を行ったので報告する. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.51.520 |