多施設における小児の顎顔面口腔外傷の臨床統計的観察

顎顔面口腔外傷患者には, 日常臨床の場において遭遇する機会が多いが, なかでも小児は肉体的, 精神的に未熟なため受傷頻度も高く, また成人とは異なった特徴的な様相を呈して受診することが多い. 診断にあたっては, 成長発育に対しての配慮が重要で, 患児の年齢など多くの要因を踏まえての病態把握が必要となることから, 時として診断, 治療を困難なものにしている. 今回われわれは, こうした小児における顎顔面口腔外傷の実態を把握すべく, 愛知学院大学歯学部口腔外科学第1講座ならびに関連9施設の計10施設において, 小児の顎顔面口腔外傷の臨床統計的観察を行ったので, その概要を若干の文献的考察を加えて報...

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Published in小児口腔外科 Vol. 15; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 市原, 左知子, 今井, 隆生, 神谷, 祐二, 稲本, 浩, 小谷, 英二, 星野, 恵奈, 横井, 共, 足立, 守安, 丹下, 和久, 木下, 靖朗, 栗田, 賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.06.2005
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.15.13

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Summary:顎顔面口腔外傷患者には, 日常臨床の場において遭遇する機会が多いが, なかでも小児は肉体的, 精神的に未熟なため受傷頻度も高く, また成人とは異なった特徴的な様相を呈して受診することが多い. 診断にあたっては, 成長発育に対しての配慮が重要で, 患児の年齢など多くの要因を踏まえての病態把握が必要となることから, 時として診断, 治療を困難なものにしている. 今回われわれは, こうした小児における顎顔面口腔外傷の実態を把握すべく, 愛知学院大学歯学部口腔外科学第1講座ならびに関連9施設の計10施設において, 小児の顎顔面口腔外傷の臨床統計的観察を行ったので, その概要を若干の文献的考察を加えて報告する. [対象および方法] 対象期間は, 2003年4月1日から2004年3月31日までの1年間とし, 愛知学院大学歯学部口腔外科学第1講座ならびに関連9施設の計10施設を受診した顎顔面口腔外傷患者1571例のうち, 16歳未満の小児患者849例を対象とした. なお, 関連施設すべてが救急指定を受ける基幹病院で, 全施設に口腔外科専門医が常勤し, さらに統一プロトコールを使用することで可及的診断基準, 治療方針の統一化を計りながら臨床統計的観察を行った.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.15.13