全国高校サッカー選手権大会優勝校に帯同して

【目的】今回、山梨県理学療法士会スポーツ理学療法部が関わったチームが第88回全国高校サッカー選手権大会で全国優勝を果たした。そこで、現場での対応と問題点など大会中の活動内容を報告する。なお、本演題発表についてはチームスタッフ・選手等関係者に同意を得た。【方法】今回の依頼は全国大会中のメディカルサポートであり、期間は12/17から1/9までの27日間であった。期間中、当部から6名を選出。1日2人体制で交代しながら帯同した。大会前は選手寮で不調部位のチェック。大会中は毎朝のストレッチや宿舎での不調部位への対応。試合前はテーピング等の前処置。試合中はベンチに入り急性外傷の対応。試合後は外傷や障害部位...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 29; p. 115
Main Authors 金, 承革, 加納, 朱加, 小尾, 伸二, 小林, 幸一郎, 庄子, 理絵, 野瀬, 朋洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2010
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.29.0.115.0

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Summary:【目的】今回、山梨県理学療法士会スポーツ理学療法部が関わったチームが第88回全国高校サッカー選手権大会で全国優勝を果たした。そこで、現場での対応と問題点など大会中の活動内容を報告する。なお、本演題発表についてはチームスタッフ・選手等関係者に同意を得た。【方法】今回の依頼は全国大会中のメディカルサポートであり、期間は12/17から1/9までの27日間であった。期間中、当部から6名を選出。1日2人体制で交代しながら帯同した。大会前は選手寮で不調部位のチェック。大会中は毎朝のストレッチや宿舎での不調部位への対応。試合前はテーピング等の前処置。試合中はベンチに入り急性外傷の対応。試合後は外傷や障害部位の処置とクールダウン、および翌日の調整練習。その他スタッフとのミーティングなど、朝6時から夜11時頃まで多岐にわたる活動を行った。準備品はテープ類や包帯類,物療機器,シーネ,アイシング用品等であった。【結果】大会前からの障害部位は足部、足関節周囲,膝関節、鼠径部等であり大会中の悪化はなかった。大会中の外傷は腓骨骨折,足関節捻挫,股関節捻挫、鼻出血等があり、RICE処置や止血処置,テーピング等で対処。また、身体の硬さや筋疲労の訴えが多く、徒手療法,物理療法,運動療法などを行い,可動域拡大,疼痛軽減,筋緊張軽減等がみられ、スタッフ・選手からは,我々のケアで良いパフォーマンスが維持できたと評価された。【考察】本高校サッカー部は全国大会初出場の伝統の浅いチームであり、定まった医療機関および大会に帯同するスタッフが確保されず、急遽当士会に依頼があった。士会組織で活動するメリットとしては人員確保が容易な点であり、今回も決勝までの長期間に人員を確保し十分なケアを提供できた。しかし、理学療法士が普段行わない試合後のクールダウンや翌日の調整練習などフィジカル・コンディショニングの知識が不十分であったとの反省も出ている。近年,強豪校にはメディカル、フィジカル各専門トレーナーが配置されていることが多い。しかし、それら恵まれたチームは数少なく、多くは一人のトレーナーに様々な面を要求される。従って、我々理学療法士はメディカルの専門職であることを明確にしたうえで、フィジカルなトレーニングについても知識を得る必要があると思われた。【まとめ】今回、山梨県理学療法士会スポーツ理学療法部は全国高校サッカー選手権大会優勝校に帯同し、長期間に亘り十分なメディカルサポートを提供できた。しかし、スポーツ現場ではフィジカル・コンディショニングも要求されることがあるためトレーニングの知識も習得する必要がある。
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ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.29.0.115.0