新しい非ステロイド性抗炎症薬UHAC62カプセルの投与方法に関する検討

UHAC62(一般名:メロキシカム)はドイツのDr. カール, トーメ社で合成, 開発されたオキシカム系の非ステロイド性抗炎症薬(図1)であり, プロスタグランジンを産生するシクロオキシゲナーゼ(COX)のうち, 正常な組織にはほとんど存在せず, 炎症刺激などにより誘導されるCOXのサブタイプのcox-2の酵素活性を選択的に抑制するはじめての薬剤である1). 本剤は抗炎症鎮痛解熱作用を有するが, 特に慢性炎症モデルにおける抗炎症作用は強力で1), 炎症部位への移行も良好である2). 一方, cox-2の選択性があるため, 他の非ステロイド性抗炎症薬で広く認められる消化管障害は比較的少なく, 安...

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Published in炎症 Vol. 17; no. 2; pp. 173 - 193
Main Authors 鈴木, 輝彦, 松岡, 康夫, 今井, 史彦, 中島, 亜矢子, 中島, 光好, 林, 徹, 高崎, 芳成, 鈴木, 厚, 柏崎, 禎夫, 原, まさ子, 蕨, 治言, 石上, 宮子, 入交, 昭一郎, 廣瀬, 恒, 東條, 毅, 川越, 光博, 菅原, 幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 19.03.1997
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.17.173

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Summary:UHAC62(一般名:メロキシカム)はドイツのDr. カール, トーメ社で合成, 開発されたオキシカム系の非ステロイド性抗炎症薬(図1)であり, プロスタグランジンを産生するシクロオキシゲナーゼ(COX)のうち, 正常な組織にはほとんど存在せず, 炎症刺激などにより誘導されるCOXのサブタイプのcox-2の酵素活性を選択的に抑制するはじめての薬剤である1). 本剤は抗炎症鎮痛解熱作用を有するが, 特に慢性炎症モデルにおける抗炎症作用は強力で1), 炎症部位への移行も良好である2). 一方, cox-2の選択性があるため, 他の非ステロイド性抗炎症薬で広く認められる消化管障害は比較的少なく, 安全性にもすぐれると期待されている. 本剤の至適用量については, 慢性関節リウマチ(RA)患者を対象とした初期第II相試験において1日1回5, 10, 15および20mgを漸増法を用い検討した結果, 20mgでは副作用発現率が高く, しかも, 15mgまでの2倍以上の発現率であったため, 至適用量は15mg以下であると考えられた3).
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.17.173