片側性顎関節内障患者における顔貌と顎関節病態との関連性 正貌硬・軟組織における対称性評価
「緒言」 近年, 顎顔面の変形ならびに咬合異常を主訴に矯正科を受診する患者は少なくない1, 2). 著しい骨格性の不調和を有する症例では機能性や審美性を兼ね備えた咬合の再構築にあたり外科的矯正治療の適応となる場合が多い. 一方, 軽度の骨格性不正咬合患者においては, その改善を矯正治療単独で行うかあるいは外科的矯正治療の適応とするかは難しい問題であり, 最終的な決定は術者の技術, 経験およびそれぞれの治療法における機能的ならびに審美的改善点とそれに付随する負担を科学的根拠に従い説明の上, 個々の患者の意向に基づいてなされることになる. このように骨格性不調和の顕著な症例から軽度な症例まで, そ...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 18; no. 4; pp. 268 - 274 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.12.2008
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd1991.18.268 |
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Summary: | 「緒言」 近年, 顎顔面の変形ならびに咬合異常を主訴に矯正科を受診する患者は少なくない1, 2). 著しい骨格性の不調和を有する症例では機能性や審美性を兼ね備えた咬合の再構築にあたり外科的矯正治療の適応となる場合が多い. 一方, 軽度の骨格性不正咬合患者においては, その改善を矯正治療単独で行うかあるいは外科的矯正治療の適応とするかは難しい問題であり, 最終的な決定は術者の技術, 経験およびそれぞれの治療法における機能的ならびに審美的改善点とそれに付随する負担を科学的根拠に従い説明の上, 個々の患者の意向に基づいてなされることになる. このように骨格性不調和の顕著な症例から軽度な症例まで, その治療方針の決定に際しては治療後の顔貌が重要な一要因となる. また, 下顎骨の後退や顎顔面の非対称などの形態的特徴と顎関節内障との関連性3-6)も報告されており, 一般集団と比較して顎変形症患者における顎関節内障の発現率は高いと示唆されている7-9). |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.18.268 |