運動処方におけるTarget heart Rate (THR) に関する検討 Karvonen法の有用性について

目標心拍数 (THR) は有酸素運動の強度処方において重要な要因となっているが, その求め方にはいろいろな方法が示されている.本研究では健常中高年男性50例 (平均年齢43±7才) についてBruceのプロトコールによる症候限界性最大運動負荷試験を行い, それによって実測されたVO2, VE, そして, HRからATにおけるHRを求め, これに対する実測HRmaxの70%, および, 85%レベルのHR, そして, Karvonen法によるTHRの相関を検討した. 実測HRmaxの70%と85%のHRは, ATのHRの平均値±1S.D.の下縁と上縁に相当し, また, Karvonen法 (k=...

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Published in体力科学 Vol. 37; no. 3; pp. 245 - 253
Main Authors 道場, 信孝, 日野原, 重明, 西脇, 要
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本体力医学会 01.06.1988
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ISSN0039-906X
1881-4751
DOI10.7600/jspfsm1949.37.245

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Summary:目標心拍数 (THR) は有酸素運動の強度処方において重要な要因となっているが, その求め方にはいろいろな方法が示されている.本研究では健常中高年男性50例 (平均年齢43±7才) についてBruceのプロトコールによる症候限界性最大運動負荷試験を行い, それによって実測されたVO2, VE, そして, HRからATにおけるHRを求め, これに対する実測HRmaxの70%, および, 85%レベルのHR, そして, Karvonen法によるTHRの相関を検討した. 実測HRmaxの70%と85%のHRは, ATのHRの平均値±1S.D.の下縁と上縁に相当し, また, Karvonen法 (k=0.6) のHRはその平均値と最も近い値を示した.Karvonen法によるTHRはHRr (安静時心拍数) と正の相関を有するが, Karvonen法 (K=0.6) の値を用いるときにはHRrの適用範囲が最も広く (分時37~116拍) , かつ, 年齢予測最大心拍数 (Y) として, Y=-0.92x+216.20 (x: 年齢) の値を用いるときには, Karvonen法 (K=0.6) の値が実測値と予測値で最も高い相関を示した.従って, 運動負荷試験を行うことなく運動強度を処方する際には, 年齢予測最大心拍数に基づいてKarvonen法 (K=0.6) の値を用いるのが最適と結論される. 本研究は昭和59年度健康・体力つくり事業団の援助によって行われた.また, 本研究の要旨は第40回日本体力医学会大会で報告された.
ISSN:0039-906X
1881-4751
DOI:10.7600/jspfsm1949.37.245