生物試料中の有機汚染物質分析法の開発及び関連する国際比較への参加

高効率抽出法として知られる加圧流体抽出法と一次標準測定法である同位体希釈質量分析法を組み合わせた,生物試料中のポリクロロビフェニル,塩素系農薬類及び多環芳香族炭化水素の分析法を開発した.開発に当たっては,抽出温度・時間・溶媒などの抽出条件,ゲル浸透クロマトグラフィー・固相抽出法などの操作条件とそれらの組み合わせによるクリーンアップ方法,ガスクロマトグラフィー/質量分析法の測定条件などについて検討を行った.確立した分析法をムラサキイガイ組織中の有機汚染物質分析に関する国際比較CCQM-P40及びP57,P67に適用した.本機関の分析結果は,他の国家計量機関の報告値と良い一致を示し,本法の妥当性を...

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Published in分析化学 Vol. 55; no. 1; pp. 29 - 40
Main Authors 沼田, 雅彦, 鎗田, 孝, 青柳, 嘉枝, 山崎, 美佐子, 山本, 葉子, 高津, 章子, 石川, 啓一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2006
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Summary:高効率抽出法として知られる加圧流体抽出法と一次標準測定法である同位体希釈質量分析法を組み合わせた,生物試料中のポリクロロビフェニル,塩素系農薬類及び多環芳香族炭化水素の分析法を開発した.開発に当たっては,抽出温度・時間・溶媒などの抽出条件,ゲル浸透クロマトグラフィー・固相抽出法などの操作条件とそれらの組み合わせによるクリーンアップ方法,ガスクロマトグラフィー/質量分析法の測定条件などについて検討を行った.確立した分析法をムラサキイガイ組織中の有機汚染物質分析に関する国際比較CCQM-P40及びP57,P67に適用した.本機関の分析結果は,他の国家計量機関の報告値と良い一致を示し,本法の妥当性を確認することができた.また,将来開発を予定している有機汚染物質分析用の生物組織標準物質について国際的な整合性を確保しうることを示すことができた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.55.29